2024年6月16日日曜日

20240616 コロナを挟んで久しぶりに対面で「神戸市市民の水辺連絡会」が開催されました

 今日の10時から、三宮の神戸市環境局で「第43回神戸市市民の水辺連絡会」が開催され、福田川クリーンクラブからは4名のメンバーが参加してきました。この会は、昭和56年10月に結成され、43年の長い歴史があります。神戸市内と一部明石市を含むエリアで河川の愛護活動に取り組んで神戸市に登録している16団体が加盟しています。今年は、コロナ禍の休会や書面開催を経て、久しぶりに対面での開催となりました。

始めに、研修会として京都大学名誉教授の藤原建紀さんから「水辺環境保全について」と題してお話がありました。まず、古代からの瀬戸内、播磨灘、そして大阪湾の成り立ちや、現在の大阪湾の構造の解説がありました。大阪湾の中央近くには、神戸港の築造に当たってしゅんせつした土砂やその後の糞尿の投棄があり、概ね平な湾の底にちょっとした丘ができていて、それが魚の住みかにもなっているそうです。

この10年ほどの間に、瀬戸内、大阪湾を始め、日本の都市部から近い海の貧栄養化が加速的に進んでいるそうです。川の砂防の徹底により山から土砂がほとんど全く海に流れこまなくなったこと、窒素やリンなどの栄養素を極限まで取り除く過度な下水処理の進展や、重工業をはじめとする工業のカーボンニュートラルの取り組みの進展による栄養素の減少などが原因とのことです。

イカナゴや貝などの魚介類の減少や、海苔の色落ちで海の貧栄養化が実感させられますが、海の色の変化にも着目すべきであることが、先生のお話で分かりました。「内海が緑色の海から(エーゲ海などのように)青い海になったら要注意」です。

対策としては、処理に掛かる電気エネルギーの浪費や貧栄養化促進で今や誰も喜ばない、下水処理場の窒素やリンなどの栄養素を取り除く高度処理の緩和=管理運転の実施、浜辺や水中に鶏糞などの栄養素を埋める活動、そして適切な量の土砂が海に流れこむような治山や川の作りのあり方の変革があげられます。

質疑応答で、私は「海は確かに青く澄んだ栄養が乏しい海になっているが、福田川をはじめとして仕事で通う大阪の川はドブ川で、栄養素がいっぱいあるのではないか」と質問しました。これについては、川で「有機物の難分解化」という現象が進んでおり、CODは下がらず微生物が減った状態になっている、とのことでした。さらに私のこれからの勉強が必要ですが、例えば、福田川源流の落合池でどんどん、葉っぱや樹木が池の中で腐らずたい積して、陸地化が進んでいるのは、その表れではないかと思いました。

藤原先生は、幼少の頃、何と福田川でよく遊ばれたそうで、昔の落合池の様子もよくご存知。今度、今の福田川も見て頂きたいです。

交流会では、市内の河川でご活躍のリーダーと知り合いになれました。福田川クリーンクラブも、他地区の川のお祭りや大規模なクリーン作戦にも伺わせていただき、河川愛護や利活用の知見を深めて行きたいと思います。

神戸市環境局さんには、休みの日に貴重な会を催して頂いたことに感謝します。さらに、このような有意義な会に、市内で同じような活動に取り組む未参加の団体にもぜひ、参加の声掛けをお願いしたいと、お伝えしました。

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