福田川の中を覗いていると、夏頃はそこここで黒っぽい魚群が見られます。「福田川生物多様性確保プロジェクト調査」では、流域の複数箇所にもんどりを仕掛け、魚類の調査捕獲を行っています。しかし、群れを成している小魚は、これまで全く掛からず、どのような種類の魚か謎でした。
そこで、今日、クラブのメンバーと神戸動植物環境専門学校生や生き物好きの地域住民が力を合わせて、河口から1.9キロの中流域の福田小学校前で刺し網を行いました。
そこで掛かったのは、なんと大半が海と川を回遊するスズキの幼魚でした。調査箇所の福田川には岩が露出して川底が見えて川の流れが急になっているところが何か所かあります。なぜそのような困難を乗り越えて遡上しているのか不思議です。生命力の強さにも驚かされます。
刺し網は袖部が6メートルほどのものを2個用意しました。まず1個目を、下流側で川幅一杯に拡げ、川のよう壁と高水敷側の上部な雑草に一端を固定しました。そして、20メートルほど上流からメンバーが川幅一杯に拡がって、たも網で川をバチャバチャ叩いたり、川底の小岩をひっくり返したりしながら下流側に生き物の追い込みました。ふだんの川の水は黄土色に濁っていて、深みがあるのではと心配しましたが、ウェダーを着て入ってみると、最も深いところでも大人の腰の下の高さぐらいであることが分かりました。
1か所目の刺し網の袋を覗いてみると、ぴちぴち跳ねる魚の姿がありました。小さなタモでビニールのバケツに移し替えてみると全部で5匹いて、いずれも体長9㎝ほどのスズキの幼魚でした。
その刺し網はそのままにして、さらに100メートルほど上流で、もう1個の刺し網を仕掛けて、追い込みを行いましたが、1回目の追い込みでは坊主。下流側よりも水深が数十センチ深くさらにたくさんの魚がいるように思え、、近くで魚が跳ねるのが見えたりして納得が行かず、もう一度追い込みを行いました。すると、数匹のスズキの幼魚とカワムツの幼魚が一匹ずつ掛かりました。また、下流側の刺し網に戻ってみると、フナの成魚1匹と大型のアカミミガメが一匹掛かっていました。
魚群はオイカワではないかと推測していて、今回、意外な結果でした。
活動の最後には、ウェダーやずぶ濡れになっても良い覚悟無しでは入れない川のバーブ工や岩に引っかかったゴミや流れ着いた投棄ゴミを引上げ、川の掃除も行いました。
神戸動植物環境専門学校には、いくつかのコースがあるそうです。参加された学生さんはいずれも水生生物が専門のコースで学んでおられるとのことです。礼儀正しく、キビキビ動かれる様子には感銘を受けました。卒業後は水族館や森林河川のネイチャーガイドなどで活躍されると思います。今日は、西は姫路の網干、東は大阪から参加されたそうですが、「福田川生物多様性確保プロジェクト」調査や、この夏の「福田川 川底のゴミ拾い・生き物調べ&川遊び」にもお誘いして、専門知見を活動に活かしていただきたいです。
川の中にジャブジャブ入っての生き物捕獲体験、楽しいです。違う季節に、また企画したいと思います。