高速で動く茶色の小型のアリの大群が家の中に上り込んで、家中アリだらけになったり、キッチンの食品に群がったり、インターホンやエアコンの室外機が心当りが無いのに何度となく壊れたり・・・
アルゼンチンアリが福田川流域でも各所で発生し、被害が出始めています。私たちの家にも現れるかも知れません。そこで、アルゼンチンアリがどのような特徴を持ち、現れたらどうすべきか勉強する会を福田川クリーンクラブが企画して、今日、垂水区役所の会議室で、神戸市環境局 自然環境課さんに行って頂きました。併せて、福田川源流の滝が谷奥池で行われている「淡水ブルーカーボンプロジェクト」の紹介も行って頂き、大変勉強になる1時間を過ごしました。
暑い中、会場には、クラブのメンバーの他、地域で環境保全に環境を寄せる市民や婦人会、公共の花壇を整備しておられるご婦人など、10名の参加者が集まりました。
最初の話は、アルゼンチンアリの生まれと特徴。アルゼンチンアリの生まれ故郷の南米では、天敵や競合のアリや生物が多い結果、引っ越しがたやすい簡単な巣を岩の割れ目などに形成し、集団で子育てし、一匹の女王アリが毎日60匹のアリを産むなどの特徴を獲得し、全長数ミリの小型のアリでありながら、天敵がいない日本やヨーロッパで増殖しているとのことです。
単体では、専門家でも他の種類のアリとの区別が簡単ではありませんが、群れや行列の場合、普通のアリの数倍の速さで動くので、見分けやすいとのこと。
会場では、市役所の方で携帯顕微鏡を用意して頂いており、アルコール漬けしたアルゼンチンアリやアルゼンチンアリと似た小型のアリを見比べる貴重な体験ができました。私もお顔と対面するのは初めて。茶色の三角のツルツルした頭で大きな黒い目がなかなかお茶目、と言うのが私が見た印象です。
個人宅で見つけたときには、兵隊アリを殺虫スプレーで殺すのはほとんど意味が無く、市販のアルゼンチンアリ用の緑のプラスチックの葉っぱに似た容器に入っている殺虫剤を設置するほか、液体タイプの殺虫剤を使用して、薬剤を巣に持ち帰ってもらい、巣ごと全滅を図るのが有効ということも学びました。
また、私からは、アリが発生した家だけでは無く、そのマンションなり自治会なり地域の住民が協力して減らしていくことが大切、ともお話させていただきました。
参加者からは、アルゼンチンアリの殺虫剤で他の昆虫や生き物の生態に影響は発生しないのか、神戸市は駆除に向けてどのような支援をしてくれるのか、といった活発な質疑応答がありました。
「淡水ブルーカーボンプロジェクト」は淡水の植物に炭素を吸着させて地球温暖化のよる気温上昇や海面水位上昇と言った自然破壊の縮減に取り組むユニークな取り組みです。その実証実験の好適地として福田川の源流のため池が選ばれていることを、参加の皆さんは改めて認識しました。
神戸市環境局 自然環境課の職員には、内容ある勉強会を実施して頂いたことを、深く感謝します。また、このような勉強会が今後も開かれて、地域の環境課題に関する市民の知識が増え、市民がスクラムを組んで対処していける仕組みが作られるきっかけになればと思います。