2024年6月23日日曜日

20240623 6月1日・2日に実施した「福田川生物多様性確保プロジェクト調査」報告を公開します

 6月1日(土)・2日(日)の二日間に渡って、福田川の源流落合池から下流瑞穂公園前までの7か所を回り、水生生物、植生、水質を定点調査して回りました。その結果がまとまりましたので、公開します。(写真をクリックすると各ページが拡大表示されます)

今回のハイライトは、落合池北東側で大量50匹ものドジョウを捕獲したことです。同じ落合池でも陸地化で仕切られた他の箇所では0匹でした。食用ガエルが北東側にはほとんどいないことが奏功しているのかも知れません。また、滝が谷奥池と口池では、か弱いスジエビの数が増えていました。業者はNPO法人によるアメリカザリガニの継続的な駆除の成果かも知れません。中流域のつつじが丘親水広場では、水の中の岩場を頑張って上っていくモクズガニの子どもの列を目撃しました。

5月31日(金)の前日の仕掛けの時は雨降りでしたが、調査でたくましく生きる生き物たちを目にすることができて、感動を新たにすることが出来ました。












次回の調査は、8月末を予定しています。福田川のダイナミックな生物の営みや環境の現状を五感で体験する良い機会です。調査に参加のご興味がおありの方は、クラブ事務局までご連絡ください。(連絡先メールアドレス:info@fukuda-river-cc.org)


20240623 福田小学校前の雑草雑木刈り取り作業は雨で中止。川遊びのいかだ製作で、モダンな一艘がほぼできあがりました

今日の午前中は、福田小学校〜コープこうべ福田店前のクリーン活動とそのあと、同じ場所の雑草雑木刈り取り作業を予定していました。朝現場を見に行くと、昨日と今朝からの雨で川が増水し、水位が高水敷まで数センチの高さに達し、洪水の回転警告灯も点灯していました。金曜日に前もって刈り取った雑草雑木は冠水で全て流されるか、高水敷に生えているシナサワグルミにまとわりつき、回収が困難な状態でした。それで、残念ながら作業は中止としました。


草刈機やレーキ、燃料や替え刃、刈り取ったゴミを入れる袋、そして袋を集積場所まで運ぶためのネコ(一輪車)など、全ての機材を昨日、近くのコープこうべ福田店でお借りしている物置に集結していました。また、集めた雑草雑木は明日、神戸市建設局垂水建設事務所によって回収される運びになっていただけに、残念です。次回、夏頃に再度、作業を計画したいと思います。

その後、有志メンバーが川原橋の高架下の倉庫前に集合。8月17日(土)のお昼に開催する「福田川 川底のゴミ拾い・生き物調べ&川遊び」で子ども達に乗ってもらういかだの製作を行いました。これまではペットボトルいかだで、2リットル入りペットボトルを108個、煩悩の数だけ組み合わせてその上にスノコを乗せて作っていました。それはそれで話題性があり、活躍もしましたが、見た目がイマイチでした。そこで、今回使い終わったキュービテーナーとよばれるポリエチレンのバッグとポリウレタンの緩衝材を使って新たに一艘、製作しました。





日曜大工も趣味とされているメンバーの指導で、部材の寸法を測りながら切れ目を入れたり、ナイロン平ベルトで組み上げていくと、お昼頃に、モダンないかだがほぼ完成しました。今後、オールも新たに制作し、イベント当日までに実際に子どもさんに試乗してもらい、浮力などの完成度を確かめる予定です。「かっこいー」との子ども達の声が聞こえてくる気がしてなりません。



2024年6月21日金曜日

20240621 福田小学校から南側の雑草雑木刈り取り作業を行いました

 今日、関西も梅雨入りしたそうですが、貴重な晴れ間を活用して、午後、福田小学校から南側の高水敷約200メートルの雑草雑木刈り取り作業を行いました。昼前まで降った雨のおかげで、背が高い雑草はなぎ倒され、膝より下の高さの雑草はしなやかさを増していて、なかなか手強い作業となりました。


クラブの有志の作業を23日(日)の午前中に計画しています。その翌日、24日(月)には刈り取った雑草雑木を、神戸市建設局垂水建設事務所に回収してもらうことになっています。ところが、23日(日)の天気予報は、今のところ雨。刈り取り作業が難しくなったり、降雨量によっては高水敷の大半が川の水に浸かり作業が出来ないかも知れません。その場合、今日刈り取った雑草雑木だけでも袋詰めして集積・回収場所に運びたいと思います。



刈り取った雑草雑木を運び出すことで、次の雑草の肥料を絶つことができます。また、雑草雑木が減ると、高水敷からのひどい臭気も減ります。


2024年6月16日日曜日

20240616 コロナを挟んで久しぶりに対面で「神戸市市民の水辺連絡会」が開催されました

 今日の10時から、三宮の神戸市環境局で「第43回神戸市市民の水辺連絡会」が開催され、福田川クリーンクラブからは4名のメンバーが参加してきました。この会は、昭和56年10月に結成され、43年の長い歴史があります。神戸市内と一部明石市を含むエリアで河川の愛護活動に取り組んで神戸市に登録している16団体が加盟しています。今年は、コロナ禍の休会や書面開催を経て、久しぶりに対面での開催となりました。

始めに、研修会として京都大学名誉教授の藤原建紀さんから「水辺環境保全について」と題してお話がありました。まず、古代からの瀬戸内、播磨灘、そして大阪湾の成り立ちや、現在の大阪湾の構造の解説がありました。大阪湾の中央近くには、神戸港の築造に当たってしゅんせつした土砂やその後の糞尿の投棄があり、概ね平な湾の底にちょっとした丘ができていて、それが魚の住みかにもなっているそうです。

この10年ほどの間に、瀬戸内、大阪湾を始め、日本の都市部から近い海の貧栄養化が加速的に進んでいるそうです。川の砂防の徹底により山から土砂がほとんど全く海に流れこまなくなったこと、窒素やリンなどの栄養素を極限まで取り除く過度な下水処理の進展や、重工業をはじめとする工業のカーボンニュートラルの取り組みの進展による栄養素の減少などが原因とのことです。

イカナゴや貝などの魚介類の減少や、海苔の色落ちで海の貧栄養化が実感させられますが、海の色の変化にも着目すべきであることが、先生のお話で分かりました。「内海が緑色の海から(エーゲ海などのように)青い海になったら要注意」です。

対策としては、処理に掛かる電気エネルギーの浪費や貧栄養化促進で今や誰も喜ばない、下水処理場の窒素やリンなどの栄養素を取り除く高度処理の緩和=管理運転の実施、浜辺や水中に鶏糞などの栄養素を埋める活動、そして適切な量の土砂が海に流れこむような治山や川の作りのあり方の変革があげられます。

質疑応答で、私は「海は確かに青く澄んだ栄養が乏しい海になっているが、福田川をはじめとして仕事で通う大阪の川はドブ川で、栄養素がいっぱいあるのではないか」と質問しました。これについては、川で「有機物の難分解化」という現象が進んでおり、CODは下がらず微生物が減った状態になっている、とのことでした。さらに私のこれからの勉強が必要ですが、例えば、福田川源流の落合池でどんどん、葉っぱや樹木が池の中で腐らずたい積して、陸地化が進んでいるのは、その表れではないかと思いました。

藤原先生は、幼少の頃、何と福田川でよく遊ばれたそうで、昔の落合池の様子もよくご存知。今度、今の福田川も見て頂きたいです。

交流会では、市内の河川でご活躍のリーダーと知り合いになれました。福田川クリーンクラブも、他地区の川のお祭りや大規模なクリーン作戦にも伺わせていただき、河川愛護や利活用の知見を深めて行きたいと思います。

神戸市環境局さんには、休みの日に貴重な会を催して頂いたことに感謝します。さらに、このような有意義な会に、市内で同じような活動に取り組む未参加の団体にもぜひ、参加の声掛けをお願いしたいと、お伝えしました。

2024年6月15日土曜日

20240615 地元の財産区のメンバーと合同で福田川源流の滝が谷奥池の草刈りを行いました

 6月に入ると急に雑草の成長の勢いが増してきます。今日の午前中、福田川源流の滝が谷奥池で、福田川クリーンクラブのメンバーと池の水利権を持つ名谷町奥畑協議会(財産区)のメンバーが合同で、雑草刈り取り作業を行いました。



池のえん堤や池に至る作業用道路沿いは、昨年冬までにいったんきれいに雑草雑木を刈り取っていました。しかし、葛やススキ、笹の生長の勢いには驚くべきものがあり、大人の胸の高さにまで伸び、うっそうとした薮になりかけていました。



薄曇りの雲が切れて時折降り注ぐ日差しは強烈です。蒸し暑さも相まって、総勢8名の作業でも、えん堤を刈り残し、昼前に全員ギブアップしました。それでも、池から水が出てくる水路沿いや池への登り口付近は、スッキリと見通しが良くなりました。

作業後、池から福田川につながる水路を見ると、枯れ葉や倒木で埋まっていて水が流れない状態になっていました。クタクタに疲れた我々の手ではどうすることもできません。土地を管理する神戸市に、掃除を依頼したいと思います

今後も、梅雨入りが近いですが、カンカン照りの日を避けて、奥池の残りやその南側の今日、手が付けられなかった口池周辺で、雑草刈り取りを地道に進めていきます。そして、グリーンカーボンプロジェクトの研究者や生物多様性確保プロジェクト調査で、気持良く立ち入れるようにしたいと思います。


2024年6月9日日曜日

20240609 福田川の源流から支流、中流域までの土壌を採取。新たな視点で福田川水系の特徴を把握します

 福田川は一般の川と異なり、上流に行けば行くほど水質が悪い川です。そんな環境でもたくましくたくさんの水生生物が暮らしています。この福田川水系は、どんな土壌環境なのか気になります。そこで、今日の午後、福田川クリーンクラブの顧問で神戸市立工業高等専門学校の宇野先生とゼミの学生さんと共に、源流の落合池から中流域までの各所で土壌を採取して回りました。

1.落合池中央部

2.落合池南西部放水口付近

3.支流・市の子川:三面コンクリート張りで土砂のたい積が全く無く、採取断念

4.支流・小川:垂水区側接合弁付近

5.つつじが丘親水広場上の湧き水付近

6.コープこうべ福田店前

※このほか、別途、滝が谷奥池の土砂も採取予定

落合池では、黒灰色の水の中検土杖を差し込み土砂を採取。サラサラで、掬い取った土砂も水と同じように黒灰色でした。



支流市の子川は、奥畑で福田川に合流します。三面コンクリート張りですが、堰の手前には土砂がたまっているのでは無いかと期待しました。しかし、源流の市の子池から出てくる水は越流水のみで土砂が全く無く、空振りに終わりました。

代わりに、川の中ではありませんが、つつじが丘親水広場近くの赤茶けた泥水が常ににじみ出ているところの土砂を採取しました。六甲山系には有馬温泉があり、鉄分による金泉で有名です。クリーン活動のメンバーは、赤茶けた成分は鉄ではないかと想像していますが、どうでしょうか。


小川では、ヌルッとした石灰質が多いように見えました。最後の採集場所のコープこうべ福田店前は、ザラザラした花崗岩の成分が多いように見えました。


今日採土した土は、工業試験場に持ち込んで、波長分散型蛍光エックス線分析装置により、元素組成の同定・定量測定が行われます。小雨交じりで体力を消耗しましたが、今月中に明らかになる分析結果が楽しみです。

20240609 雨天のため川原橋地区のクリーン活動は中止。ビオトープ回りの草刈りとゴミ回収を行いました

 今朝は、あいにくの小雨。濡れた雑草や土に足を滑らせてケガをしたり、川に落っこちてはいけませんので、川原橋地区のクリーン活動は中止しました。ただし、ビオトープ回りやビオトープの上のクリーンステーション付近の草刈りとゴミ回収を行いました。


道路端やビオトープへの斜路には、全長5、60センチほどの茎が放射状に伸びる雑草が生えていて、軍手をした手で抜き取ろうとしてもびくともしません。草刈機や剪定鋏の出番です。たばこの吸い殻やお菓子の包装紙などのゴミが絡まってみっともない風景でしたが、スッキリとしました。ポイ捨てが減るのではないかと思います。

ビオトープの中も、踏み石の通路付近を中心に、草を整理しました。生き物の観察に訪れる親子連れや、クリーン活動のメンバーが、足元を確認して安心して立ち入れるようになりました。

ビオトープ周辺では、今日は、いつもよりもゴミが少なかったです。これからたくさんのクロベンケイガニが出てきますが、ニコチン中毒にならずに済みそうです。



2024年6月8日土曜日

20240607 あじさい公園およびその周辺ともう1か所で、アルゼンチンアリの防除活動を行いました

 昨日、6月7日(金)の午後、名谷あじさい公園およびその周辺、さらに公園からほど近い公的施設で、アルゼンチンアリの防除活動を行いました。同じ場所では、前回4月7日にも一斉防除活動を行いました。公園内の前回作業エリアでは、昨年の同時期と比べて、アルゼンチンアリの数は激減していました。しかし、今回新たにエリアに加えた所や公的施設では、まさに大群のアリが行列を成し、アリの巣が橫につながったコロニーを作っていました。今後も、継続した防除活動が必要です。


作業には、指導に当たる兵庫県立人と自然の博物館の三橋先生と、神戸市環境局から3名の職員が参加しました。公的施設では、その職員の参加もありました。薬剤を散布する係と、防除作業を行った場所と発見状況を色分けしてiPadのアプリにマッピングする係の2名一組で、作業を進めました。

私の組は福田川の左岸のプロムナード沿いを担当しました。防護柵の根本には、十数メートルにわたってアルゼンチンアリの行列が続いていました。穴に出入りするところも複数見える、いわゆるコロニーも見つかりました。桜などの樹木にも、蜜を求めて木を登る行列がありました。公園の一角にある物置の前に置かれた踏み板を裏返してみると、軽く1千匹を超えるかと思われるようなアリのコロニーが構築されていることが分かりました。今回の薬剤散布で全滅することを願います。



公的施設の敷地も、施設を取り囲むようにコロニーができあがっていました。近隣からアリの苦情が寄せられるのも、もっともです。防除は施設管理者の責務です。


今回の念入りの薬剤散布後も、継続した防除活動が必要です。それに加えてふだんからの雑草雑木刈り、ビニール袋や廃材の除去、コンクリートの目地塞ぎなど、日あたりと風通しを良くし、アルゼンチンアリが住みつきにくい環境作りも望まれます。燦々と日の光が降り注ぐ場所には、アリの数が少なかったです。これは公園のプロムナードにも言えます。

地域住民の一人として、福田川クリーンクラブも今後も、防除活動のオーガナイズや参加を続けて行きます。