2日目・落合池での調査メンバー集合写真
福田川クリーンクラブでは、2年前から、福田川をフィールドに環境保全に取り組む団体、学識経験者、学校関係者、そしてボーイスカウトの皆さんに呼びかけて「福田川生物多様性確保プロジェクト」の活動を行っています。今年度の最初の調査を、この土日の二日間に行いました。
福田川でも外来種が徐々に幅を利かすようになってきています。中下流では、アカミミガメはもちろんのこと、近年、ヌートリアの姿が目撃され、川の周辺の住宅街ではアライグマも度々目撃されるようになってきています。植物も同様です。プロジェクトは、在来種を適切に保護し、外来種を管理駆除することを最終的な目的として活動しています。今回、その活動を強力に支援していただける先生として、和亀の保護とアカミミガメをはじめとする外来種のカメの駆除で活躍しておられる「和亀保護の会」会長の西堀さんのご支援を頂くことができました。
今回はまた、初めて、落合池の中央部分に近いところまで歩いて到達しました!
その調査の様子と結果を、簡単にご紹介します。(水質につきましては、検査結果と評価がまとまり次第、後日、お知らせします)
■一日目の調査:福田小学校前、下流・汽水域
・天候と気温:晴れ 18/26度
・調査内容と結果:
昨年までの調査地点のうち「名谷あじさい公園」を今年度から「福田小学校前」に変更。より多くの魚類が見かけられることと、ヌートリア、アカミミガメも見かけられることが変更の理由。
朝7時過ぎ以降に、魚用/カメ用のもんどりをそれぞれ次のように仕掛け。
- 福田小学校前:6個/2個
- 下流・汽水域:4個/2個
もんどりのえさは、ブリのアラ
福田小前での早朝の仕掛けの様子
10時過ぎから、福田小学校前で引上げ調査。コンディションと結果は次の通り。
白いあぶくが絵の具を垂らしたように水面をカバー。透明度悪し。
アカミミガメの親亀、子亀をそれぞれ1匹ずつ目視したが、もんどりには掛からず。
魚類用のもんどりのも掛からず。付近では、コイの姿を目視。
川原では、シナサワグルミが繁茂し、イタチハギ、ナンキンハゼも確認。
昼顔がピンク色の花を咲かせていた。
アカミミガメ
ミゾソバ
ヒルガオ
ヨモギ
クログワイ(葉は柔らかい円筒)
11時30分頃から、下流・汽水域で引上げ調査
白いあぶくはほとんど見られず、透明度も良好。
当日は大潮で、仕掛けの時刻(7時30分頃)は満潮近くであったが、調査時刻には
潮が引き、川底の岩が見える状態。
カメは目視できず。仕掛けの時刻には、大きなボラの群れ、クサフグ、スズキなどが
見られたが、引上げ時刻には、大量の小魚のみ。カメは目視できず。
カメ用のもんどりは、掛からず。
魚類用のもんどりに、体長7センチの大型のモクズガニ、スズキの赤ちゃん、
スジエビが掛かる。
甲羅の幅7センチの巨大なモクズガニ
スジエビとスズキの赤ちゃん
調査メンバー
■2日目の調査:源流・落合池、支流・小川
・天候と気温:晴れ 18/26度
・調査内容と結果:
昨年まで落合池では、北側の小池のみで生き物調査を行っていたが、今年3月に本池にいたる作業用道路が完成したのを機に、本池でも調査を実施。
朝7時過ぎ以降に、魚用/カメ用のもんどりそれぞれ次のように仕掛け
- 落合池・北側の小池:2個/6個
(夏頃はどす黒く濁るが、当日は深さ1メートルほどの底が見えるほど、透明度
は良好)
- 落合池・本池:4個/4個
(今回、初めて池の中央部に近い部分に足を踏み入れ。ヘドロに足をすくわれる
所もあるが、膝上60センチぐらいの深さで、安定した砂地もあり、意外な感じ)
- 支流・小川:5個/2個
えさは、落合池では黒鯛(スズキ)のアラ。小川では、アラ及びするめ、ちくわ
朝の仕掛けのメンバー
早朝の仕掛けの様子(落合池・本池)
10時過ぎから、落合池で引上げ調査。
本池では、ヒシが繁茂している場所に掛けたところ、3歳オスのクサガメ1頭を捕獲。
また、フナ、ヨシノボリも捕獲。アカミミガメは目視も捕獲も無し。
魚影は目視できず。ヘドロのメタンの匂い。ゴム底で歩くと、水の底からガスが
わき上がる状態。福田川の水質悪化の主たる原因と考えられる取水口付近は
どす黒く水面が濁り、ゴミが堆積した状態。
北側の小池では、夏・秋の調査では大量のヨシノボリ、モツゴが掛かるのだが、
今回は、ほとんど掛からず。斜面では、残すべき植物が健在なことを確認。
ヨシノボリとフナ
3歳オスのクサガメ
ヌートリアのミイラ
ヘドロとゴミが堆積した福田川取水口
最悪の水質を今回も記録更新した竜が台からの流入路
落合池・北側の小池の調査風景
13時30分頃から、小川で引上げ調査。
上流の貸し農園などでまだ、肥料が大量にまかれていないからか、あぶくはほとんど
なく、透明度も良好。
大量のヨシノボリに混じって、スルメに引き寄せられたのか、大小3匹のザリガニを
捕獲。夏・秋の調査では、ヨシノボリや大量のヌマエビが捕獲できるが、今回0。
ガサガサで、待望のマドジョウの子どもを捕獲。
小川の調査では、絶滅危惧種のカワガキと遭遇。近くの小中学校の生徒とのことで、
次回調査には誘いたい。
小川でのもんどり回収の様子
小川の調査地点
カワムツとヤゴ
絶滅危惧種のカワガキと遭遇
カメの仕掛け(カゴの位置、向き、深さなど)、捕獲、見分け方につきましては、西堀さんから貴重なアドバイスを頂きました。今後、アカミミガメ捕獲の賞金稼ぎに、私たちも参戦できそうです。
なお、捕獲しましたマドジョウの子どもは、わが家の水槽で、元気に泳ぎ回っています。面白いことに、以前からの住人の2匹のカワヨシノボリが、水槽の中で毎日、激しくなわばり争いをしていましたが、マドジョウがやって来てからは、近くに寄り添う姿が見られるようになってきています。身体の大きさでは、カワヨシノボリが勝っているのですが、魚の世界の力関係は、良く分かりません。