2020年11月24日火曜日

20201107-08 福田川生物多様性確保プロジェクトの調査報告を公開します。海から上がってきたモクズガニ、貴重なメダカ、タニシに感動です

 11月7日(土)、8日(日)の両日にわたり、福田川の源流落合池から、河口付近の瑞穂公園前まで8箇所を順番に巡り、川の中の生き物、水質、植生の総合調査を行いました。その報告を公開します。

今回も新たな発見がありました。源流のため池では、今回初めて大量のメダカを捕獲しました。また、その池の下の水路では水涸れで死滅したと思われていたタニシが復活を遂げているのを確認しました。源流のため池では、福田川の河口から7キロ以上、何段もの高い堰を乗り越えてモクズガニが生息し、巨大な姿に成長していることを確認しました。

残念ながら神戸市内の河川でも水質が最も悪い部類に入る川ですが、たくましく生きものたちが営みを繰り広げています。彼らを見守り、水質を始めとする環境を改善して、人間も観察や憩の場所として楽しめる福田川にいつの日かしたい、と調査メンバー一同念じています。そのために考えられる提言も、本資料の最後にまとめています。ぜひ、ご一読ください。

















2020年11月22日日曜日

20201122 ゴミの羽衣は臭います

 今日は第四日曜日で、福田小学校前〜コープこうべ福田店前のクリーン活動の日です。人の背丈を超える雑草をかき分け、外来種で大木化したシナサワグルミのしなやかな枝をかいくぐりながら、ゴミを集めて回りました。

今日目立ったのは、やはりポリ袋。そしてマスクです。鍋や建材の破片も落ちていました。ポリ袋は、高水敷のあちらこちらに生い茂ったシナサワグルミの枝の私の背丈以上のところにもまとわりついていました。ひらひらと羽衣のようです。福田川の中流域でも川幅が狭くなっているところで、ちょっとした雨で人の背丈ほどに水位が上がることが見て取れます。

その根本付近には犬のフン袋や投棄ゴミもあり、かなり臭います。家に帰り着くとすぐにシャワーを浴びました。不法投棄、勘弁して欲しいです。

福田小学校前〜コープこうべ福田店の植生は、同じ福田川で1キロメートルほど下流の川原橋〜瑞穂公園前とすいずん異なります。引っ付き虫の雑草や葦はほとんどありません。代わりに生えているのは、数珠です。この数珠玉が長靴に入ってきて底に達すると、非常に不快です。


橋の下の砂地には動物の足跡が点々と付いていました。おそらくヌートリアだと思います。高水敷の石積みの間に穴を掘って暮らしている姿を、クラブの仲間が写真に撮っています。ヌートリアは冬眠しないそうですが、虫やカエルなどの生き物が乏しいこれからの季節、何を食べて生き延びるのでしょうか。

【ご参考】福田小学校前のヌートリア 2016年3月撮影

次回の福田小学校前〜コープこうべ福田店のクリーン活動は、12月27日(日)9時から1時間です。このブログを読んで下さる皆さんのご参加を、心からお待ちしています。

2020年11月14日土曜日

20201114 晩秋の福田川支流・小川をハイキング。小高い山の上からの360度パノラマは圧巻です

 福田川支流の小川流域を環境保全・再生活動に携わる私たちは「小川フィールド」と呼んでいますが、一般的には多井畑西地区と言われています。長年、住宅地や商業施設として開発が計画されていました。しかし、今年の夏、デベロッパーが撤退し、後を引き継いだ神戸市や地権者を中心に、改めて自然環境保全再生のプランが練られることになりました。

今日は、福田川クリーンクラブの有志がその小川を歩いて、現状を確かめて回りました。小川には私も久しぶりに足を踏み入れました。繁茂の極みの竹の勢いや点在する耕作放棄地は相変らずでしたが、小規模農園では、秋の野菜や花きが力強く実っていました。谷底の小川に入ると、無粋な鉄塔はおろか民家が一軒も見えません。これが垂水区と須磨区に跨がる市街化区域にあるとは、誰にも信じられないと思います。




細いあぜ道では、おそらく当局によって道路の横の雑草がきれいに刈り取られているところがあり、環境整備も始まっているのではないかと思われます。

一方、小川の北西側の小高いボンボン山に登ると、眼下の小川フィールドをはじめ、大阪湾、六甲、垂水の市街地や名谷の団地まで360度のパノラマが広がっています。頂上付近には立派なあずまやがあり、毎日登山の方の記帳箱や、そこから見える風景の見どころを紹介した連続写真も置かれています。

私は、今日、クラブの地域に住むメンバーの案内で初めて訪れました。カラッと晴れ渡った天気で、遠くまで見渡せて、深い感動を味わいました。


小川フィールドも、雑木林も、小高い山も素晴らしい地域の宝です。うまく、守り育てて次世代につないでいきたいものです。

20201107-08 生き物のたくましさに感動!福田川生物多様性確保プロジェクトの調査

 福田川クリーンクラブでは、有志メンバーが季節毎に源流から河口付近までを流域10箇所を二日間掛けて回って、生き物や水質、植生の調査を行っています。もう何年も継続した活動で、その時々の環境を記録、報告することで、福田川水系の水質や環境を良くし、流域住民が楽しめる川のあり方を探ることが目的です。

今回は、11月6日(金)の夕方に仕掛けを行い、11月7日(土)、8日(日)の2日間に分けて、調査を行いました。その詳しい内容は近々、報告書にまとめますが、今回もうれしい発見がありました。



源流の池の一つでは、これまでの調査で不思議なことに、魚が一匹も掛からず、ザリガニとヌマエビ、スジエビだけが掛かっていました。ところが、秋の水抜きが行われたせいか、今回、無数のメダカが掛かりました。また、その池の下の水路では、水涸れで死に絶えたと思われていたタニシが復活を遂げ、水路は黒いダイヤで埋め尽されたような感じでした。






支流の上にある池では、大型のモクズガニを何匹も捕獲。海から5、6キロもの福田川の数十段の高い堰を超え、時に水が乏しい水路を上って池にたどり着いています。このあと、また河口から海へ戻っていくとのこと。感動します。

上流域では、夏の調査に引き続いて今回も、ハヤの群れを撮影することに成功しました。


クラブでは、次回1月末にも調査を計画しています。福田川の厳しくもたくましい自然の姿を、一緒に感じ取って頂きたいと思います。調査にご興味がある方は、連絡ください。


2020年11月8日日曜日

20201108 福田川河口のゴミの量に圧倒されました

 今日は第二日曜日で、川原橋地区のクリーン活動の日です。少し前までの肌寒い天気が嘘のような、暑いぐらいの天気のもと、私とメンバーの一人はまず川の左岸に入りました。そこで目立ったのは、たばこの吸い殻、ペットボトル、そして下流では海からの発泡スチロールや釣り人の捨てたゴミの漂着物でした。今日も、引っ付き虫がたくさん付いてきました。





その後、1時間近く経って、集合場所の川原橋ビオトープに戻りましたが、右岸の河口付近に向かったご高齢のメンバーがなかなか戻ってきません。心配になって様子を見に行くと、そのメンバーが愛用しておられるマジックハンドのゴミ拾い器具や、半分以上ゴミが入った40リットル入りのゴミ袋が置去りにされていました。河口の川の中に誤って落ちてしまったのではないかと、さらに心配になって河口に向かうと、群生した葦に引っ掛った大量のゴミと格闘している姿が目に入りました。

雨水と潮水が入り交じったどす黒い水が高水敷の葦の際にたまっていました。その場所の堤防の向う側には、コンビニエンスストアがあります。そのためか、ビンカンペットボトルをはじめ、細かく砕かれた発泡スチロールや人工芝の一部と思われるようなプラスチック部品などがひしめいていました。強烈な臭いも発しています。ゴミは水を含んでかなり重たくもなっています。

これは、いよいよ、メンバー新規募集を本格的に行って、大人数で作業しないと追いつかない量です。

高水敷は冬を前にひっそりとしてきています。娘が、冬眠し遅れたモクズガニを見つけました。

次回の川原橋地区のクリーン活動は、12月13日日曜日、朝8時からです。一人でも多くの方の参加を心からお待ちしています。