2025年11月13日木曜日

20251113 新たな福田川の謎です。先月から、下流川原橋付近の高水敷にたくさんの椎茸が落っこちています

 今日の午後、神戸新聞の記者さんから電話が掛かってきました。「福田川にたくさんのキノコが浮かんでいるので、どこから来たのか調べてほしい、との連絡が読者からあった」とのことで、福田川のクリーン活動を行っているクラブへの問い合わせの電話でした。そのことなら、先月10月12日(日)の川原橋〜瑞穂公園のクリーン活動の時から気になっていました。

飼犬の大きさと比べて結構立派な椎茸であることが分かる

私が担当したのは左岸ですが、瑞穂公園の南側あたりから河口付近に掛けての高水敷に何十個もの椎茸が散らばっていました。傘の幅が10センチほどの立派なものもありました。



下記2枚の写真は10月12日に、左岸ビオトープ向いから河口付近で撮影

先日、11月10日のゴミ拾いでは右岸を歩きましたが、水道橋から川原橋ビオトープ付近までの高水敷に散らばり、あるところでは固まって落ちていました。今日の夕方、犬の散歩がてら右岸に行くと、同じ場所にまだありました。ビオトープの対岸の左岸高水敷にもまだ、見えました。川の中にも、一個、浮かんでいました。




椎茸は、クヌギ、コナラ、ミズナラなどのほだ木に菌が植え付けられ、日陰で育てられます。

福田川流域の川沿いで育てられているところを私は知りません。福田川の上流まで各所で日頃クリーン活動を行っているクラブのメンバーにもグループのLINEで心当たりがないか尋ねていますが、これまでのところ返事はありません。落っこちているのが左岸か右岸のどちらか一方であれば、何らかの理由で投棄されたとも考えられますが、両岸で見つかっているので、その線は薄いです。右岸で見つかったところは汽水域で満潮時に海水に浸かりますが、左岸はまず、水に浸からないところでも見つかっています。よって、海への落下物が吹き上げられた説は弱いですが捨てきれません。

夕方訪れた時には、奥さんから川に椎茸みたいなものが浮いているので、見て来て欲しいと言われてビオトープに確認にやって来た市民もおられました。

立派な椎茸、一体どこから誰によってやって来たのでしょうか。謎は深まるばかりです。


2025年11月8日土曜日

20251108 素晴らしい秋空のもと、福田川上流の名谷・奥畑の知られざる自然や旧跡を散策しました

 素晴らしい秋空のもと「福田川さんぽ」を開催しました。学校行事などと重なって参加者が11名と少々少なかったですが、半日、アップダウンの約4.5キロ、約1万2千歩で、福田川上流の名谷・奥畑の知られざる旧跡や自然の散策を満喫しました。

参加者は朝9時に、名谷小学校山側にある「明王寺」境内に集合。いつも掃き清められている境内は今朝も清々しい雰囲気をたたえていました。明王寺は真言宗のお寺で、平安時代初期の創建です。普段の日としては特別に本堂を開けていただいて、本尊の大聖不動明王座像を拝観できました。



次に、同じ中山地区にある古刹の「転法輪寺」に向かいました。参道は照葉樹林で県指定の保護林です。沖積層が見えているところがあり,福田川によって運ばれてきた砂や泥がたまっていることがわかります。本堂の阿弥陀如来を参拝した後、寺務所に立ち寄りました。広い境内には城を思わせる石積みの壁が展開していますが、直方体の石の積み方一つ取っても先人の工夫がうかがわれます。


寺務所では江戸時代に使われていた「籠」を見学しました。勅願寺を示す菊の御紋が入っているとのことで、お坊さんが本山の高野山との間を往復するのに使われたそうです。



次に向かったのは垂水でおそらく現存する最古の温泉の「柚耶の里」です。途中の高台から段々畑であった地形が目に入り、ここが河岸段丘であったことが分かります。

今日はあいにく、ボイラー交換工事中で建物の中に入れませんでしたが、ここが転法輪寺の参詣客を癒す「玉子温泉」と呼ばれる一大温泉(冷泉)であったことを、昔の写真を見せていただきながら、一同納得していました。


その次に向かったのは「奥畑公民館」です。辺りの様子は名谷の須磨ニュータウンの開発に伴い、私が子どもの頃(昭和30年代後半〜40年代前半)から様変りしています。公民館には、開発前の自然豊かな奥畑地区の貴重な写真や風景画、そして高度経済成長で賑やかなりし時代の奥畑地区の住民の皆さんの会合の様子の写真が飾られていました。




公民館の敷地には「修道記念碑」が立っています。明治時代末に奥畑地区と須磨を結ぶ道が整備されて、交通が画期的に改善した大事業を顕彰する碑です。その後訪れた、福田川の水源の泉は、昭和30年代後半に一帯に水道が引かれるまで、透明で良好な水質で住民の貴重な炊事、飲料の取水場所となっていました。古老からは、子どもの頃、泉から家に水を汲んで運ぶのが日課で大変だったとお聞きしています。今も、泉には水が静々と流れだし、付近の畑地の水路からも勢いよく水があふれ出てきています。奥畑地区ののどかですが厳しかった暮らしの様子が偲ばれます。



泉のすぐ近くには、室町時代創建の禅寺「石水寺」があります。今でも修行を積んでおられるお坊さんがおられるとのことで、境内には源平合戦の跡を伝える平師盛の墓と伝えられる石碑が移設されています。


奥畑地区の一番北側には謎のトンネルがあります。普段は鍵が掛かっていて、トンネルの中は真っ暗です。昔は滝ヶ谷川という川筋で、今はその上に盛り土されて神戸市営地下鉄の車両基地があります。そのトンネルを通って、山側の滝ヶ谷奥池と口池に皆さんを案内しました。敷地は神戸総合運動公園内にあり、公園管理の都合上、池の水利権者など一部を除き、市民の立入りができません。


池は雑木林の風景に囲まれています。ここが垂水区や須磨区の辺境で地下鉄総合運動公園駅から歩いて20分もかからないところにあると信じられません。市民の立入りが禁止されていることから、あらゆるため池にいる外来種のブラックバスやブルーギルは全くいません。池の中では、市街地と隔絶された自然環境を活用して神戸市により、淡水のブルーカーボンの実証実験が今も継続して行われています。




池から奥畑地区には用水路がつながっていて、皆さんと一部を歩きました。測量技術も満足では無かった頃に、微妙な高低差を計算して作られました。小山の中腹に作られた水路の小径で、私が垂水の中でも最も好きな風景の一つです。付近で耕作が行われていないため、農薬に弱いタニシが大量に生息していて、貴重な自然環境です。


さんぽは、池から元来た道を奥畑地区に戻り、ニュータウン開発で暗渠になった福田川が顔を出す奥畑地区のダムを見学した後、昔、ニュータウンができる前に山陽の路線バスの終点であった奥畑大歳神社の鳥居の前で解散しました。


コース全般の解説は、福田川クリーンクラブ顧問で神戸市立工業高等専門学校都市工学科の宇野先生にお願いしました。また、垂水観光ボランティアガイドの池上さんほか、メンバーも参加されて、日頃の博識を参加者全員で共有させていただきました。各訪問先では、快く境内や施設を開放頂きました。おかげで普段観られない垂水の歴史的な施設、自然環境を堪能できました。ご協力頂きました皆さまには、感謝申し上げます。

垂水・福田川水系には、まだまだ知られざる魅力を秘めたところがあります。今後も、福田川クリーンクラブでは「福田川さんぽ」を継続開催する予定です。ご期待ください。

2025年11月5日水曜日

200251105 今週末11月8日(土)に「福田川さんぽ」を開催します。お天気も良さそうです。皆様のご参加をお待ちしています。

知られざる福田川上流の自然・歴史・秘境を巡る「福田川さんぽ」を今週末、11月8日(土)に開催します。幸い、お天気も良さそうです。普段市民の立入りができない福田川源流の「秘境」にも、今回許可を取って皆さまをご案内します。秋の半日を、ぜひご一緒に歩きましょう。

■福田川さんぽ「名谷奥畑の編」

・開催日時:11月8日(土)9時〜12時30分 少雨決行

・集合場所:明王寺境内(山陽バス旧道名谷小学校バス停下車徒歩1分) 

※事前参加申し込みは不要です。当日集合場所にいらしてください

※一部、ぬかるみがありますので、汚れても良い靴でいらして下さい



2025年11月3日月曜日

20251103 瑞穂公園から上流・瑞穂橋手前まで180㍍の雑草雑木刈りを行いました

 今週末11月9日(日)は、川原橋〜瑞穂公園のクリーン活動の日です。コースの瑞穂公園から瑞穂橋に掛けての右岸の雑草を刈り残していました。そこで、今日の午後、草刈機とハサミを持って入り、ほぼほぼクリーン活動のエリアを貫通しました。


100㍍ほどの区間は主にススキが生い茂って壁のように立ちはだかり、前が見えない状態で、バッサバッサと力業で切り倒していきます。その先80㍍の川のカーブの区間は川幅が狭く、増水時に度々水にさらされるからか植生が変わり、イネ科の植物やセイタカアワダチソウ、エノコログサやノイバラなど比較的背が低い雑草が、岩場や砂地に生えていています。草刈機の刃がカンカン、ジャリジャリ音を立てて石ころに当たり砂地を噛み、刃先がどんどん欠けて、切れ味が悪くなっていきました。そして、あと10数㍍でコース終点の瑞穂橋下にたどり着くというところで、燃料も尽きて今日の作業を終えました。



雑草雑木を刈り取った下からは、ペットボトルや投棄された家庭ゴミが結構たくさん見えてきました。9日の作業でしっかりと回収したいです。

2025年11月1日土曜日

20251101 特定外来生物 アカミミガメとナガエツルノゲイトウの防除の方法を一日、学びました

 今日は、午前10時から苅藻島のクリーンセンター内にある「外来生物展示センター」で「はじめての川活」というセミナーに参加しました。午後からは、明石市の寛政池に流れこむ西区岩岡町の清水川に場所を移し、ナガエツルノゲイトウの駆除作業を見学しました。メインの講師は、ミシシッピアカミミガメなどの外来生物捕獲の第一人者の(株)自然回復の谷口社長と取締役の三根さん。どちらも溌剌とした女性フィールドワーカーです。


「福田川の生物多様性調査」の調査では、長年、アカミミガメの捕獲を行っています。しかし近年、引っ掛る数量が減ってきています。また、狙っているアカミミガメでは無くクサガメが掛かってしまうケースが増えていました。今日のお話で、もんどりだけでは捕獲数が減り、日光浴罠や川や池の中に足を踏み入れて手足で探しだす合わせ技が必要、とのことでした。アカミミガメは警戒心が強く、頭も案外良いのかもしれません。



ナガエツルノゲイトウは、今日、なぜその名前で呼ぶのかを得心しました。花が咲く「長い柄」を持った「蔓状の」「野に咲くケイトウ」と言うことです。会場の教室には、類似の形態の「ホソバツルノゲイトウ」「メリケンムグラ」などを乾燥させた実物も持ち込まれていて、座学の説明と合わせて葉の付き方や葉先、花柄の特徴や違いをよく理解出来ました。

その後、館外に出て一部の参加者はウェダーを履いてビオトープに入りたも網でガサガサを行い、希少種のイシガメを捕まえて寸法を測る実習を行いました。福田川水系で捕まる亀は、アカミミガメかクサガメだけで、これまでイシガメは見たことがありません。

ナガエツルノゲイトウは、神戸市の西部にまで進出してきています。西区岩岡町に接する明石市側にある寛政池では、池の水面がナガエツルノゲイトウに覆われているのではないかと思って訪問しました。ところが、全くその姿はありませんでした。三根さんに聞くと、数年前までは大量に繁殖していたそうです。そこで、冬場の水抜きの際に繁殖していた池のヘリの底にゴムシートを敷き詰める対策を行ったとのこと。それで一年ほど経つと、酸欠で根っこまで腐って駆除に繋がったとのことです。今日はその寛政池に流れこむ清水川のほとりにウェダーを着た関係者が入り、茂みに根を張っているナガエツルノゲイトウを丁寧に抜き取り、背負子で持ち込んだ土のう袋に入れて集めていました。池に新たな塊が流れ込み、再び増殖するのを防ぐ作業とのことです。川原の雑草ならば草刈機で一気に刈り取ってしまえ、と言いたいところです。しかし、わずか5ミリの節からも新たな芽が出るというナガエツルノゲイトウの除去には草刈機は使えません。




ナガエツルノゲイトウは特定外来生物で非常に繁殖力が旺盛です。これまで動画、写真を何回か見て勉強する機会がありましたが、今日はまさに百聞は一見に如かず。生息場所や大きさ、ストローのような茎の特徴が、現場で実物を見てよく理解出来ました。


外来種展示センターのセミナーでは、懐かしい川仲間の方々と再会できました。清水川では、2か月で1,000匹のアカミミガメを捕獲して新聞にも取り上げられた「カメをとる会」代表の笹尾さんも見学に来られていて、交流出来ました。本業は農家で、アカミミガメの他にもキャベツなどの野菜を食害するアライグマやヌートリアも大量に駆除されているそうです。

今後、福田川水系にナガエツルノゲイトウが進出していないか、普段のクリーン活動や福田川の生物多様性調査で目を光らせたいと思います。もちろん、アカミミガメの駆除の方も頑張ります。

※ご参考:

明石・神戸アカミミガメ対策協議会発行「誰でもできるアカミミガメ防除」

 https://www.city.akashi.lg.jp/documents/14704/hp-manyuaru.pdf

兵庫県自然鳥獣共生課発行「特定外来生物ナガエツルノゲイトウ見分け方資料」

 https://www.city.akashi.lg.jp/documents/36441/nagae.pdf