昨日、本日の二日間、名谷の福田川源流の一つである滝ヶ谷奥池のかい掘りが行われました。両日とも、神戸市企画調整局の職員、池の敷地を管理する神戸市公園緑化協会の総合運動公園の職員、地元の奥畑財産区の皆さん、そして、約10名の留学生のボランティア、神戸高専の先生、福田川クリーンクラブのメンバーが参加しました。
天気予報がすっかり外れて春の陽気の本日は、奥畑財産区の区長さんや、福田川クリーンクラブからも私と家内も含めて5名が加わり、放水口付近の浚渫と池の中程にある水たまりの拡張作業で、泥まみれになって汗を流しました。
腐葉土と粘土質の土からなる泥は、冬の晴天続きでも池の水を含んで重たいです。作業用のベニヤ板に張り付くと、非常に滑りやすくなり足を取られて、なかなか気が抜けない作業でした。それでも、若く元気あふれる留学生や市の職員をはじめ、皆さんが力を合わせることにより、放水口付近の泥土がだいぶん取り払われました。先日、西区押部谷町木津のため池の再生作業で取ってきた竹パウダーが水分を吸ってくれて、どろどろの土を固めるのに大いに役立ちました。
掘り出した泥土は、長年の浸食でえぐれた護岸付近に運びました。その結果、淀んだ池に水の流れを作る新たな水面ができ、放水口からは水が流れ出る確かな音が聞こえるようになりました。川の中程には大雨時の鉄砲水で護岸がえぐられるのを防ぐ、土のうの陣地ができ上がりました。
池の護岸では、フェンスの蔓草が一掃され、土手の構造を弱め、池に落ち葉をたい積させてきた土手の雑木も、地元のご老人方により、きれいに切り取られ、見通しが良くなり、作業者の立入りもだいぶん楽になりました。
長年たまりにたまった土の量は膨大です。両日の作業で一気に昔のように適度な水をたたえ、田畑や福田川に絶え間なく水を供給する「ため池」に戻ったわけではありません。これからも、さらに継続した土木作業や雑木の伐採が必要です。過度な貯水による池の護岸の浸食、池のフライパン化を防ぐために、細やかな弁の開け閉めによる貯水管理も必要です。神戸市による弁の補修工事も待ち遠しいところです。
長年、諦めにも似た気持ちで、半ば放置されていたため池に、人が戻り、熱気が吹き込まれました。貴重な在来の生物であるスジエビ、ヌマエビ、タニシ、そしてメダカも活気づくのに違いありません。
今後、滝ヶ谷奥池は神戸市による地球温暖化の進行阻止の取り組みである「ブルーカーボン・グリーンカーボン育成」の研究および実証実験の場としても活用されるとのことです。具体的には、来年度以降、二酸化炭素を効率的に貯蔵できる草が、池の中に植えられ、育成されると聞いています。
今回の作業は、池の敷地の管理者の公園側にも、水利権者の財産区の皆さんにも、水が流れこむ福田川流域の私たちにも、再び身近な自然環境に目を向けさせ、守っていく行動を起こさせるきっかけになりました。
この良い流れを絶やさないように、流域住民の私たちも、より多くの人たちを巻き込み、智恵と体力を注ぎ込みたいです。