2026年11月2日月曜日

20291102 滋賀県野洲市の「家棟川」流域を視察し、琵琶湖の宝石「ビワマス」を取り戻すプロジェクト推進のキモをお聞きしました

 滋賀県野洲市には家棟川(やなむねがわ)とその支流の童子川、祇王井川など水路が縦横に巡っています。いま、その川筋を琵琶湖の宝石と讃えられる「ビワマス」が遡上、産卵、繁殖できる環境を整え、野洲市の魅力アップにつなげようという活動が「ビワマスプロジェクト」として行われています。その現場の様子を視察し、プロジェクトを推進しておられる滋賀県琵琶湖環境科学研究センター専門研究員の佐藤さんに、推進の秘訣を詳しく伺いました。


当日はあいにくの天気。朝神戸を発ち大津サービスエリアに到着すると日も差し、天気が回復するかと思われましたが、野洲市内に到着する頃には本降りの雨となってしまいました。残念ながら川の増水でこれがビワマスという姿ははっきりと見られませんでしたが、私たちの川福田川水系の自然環境再生を考える上で、貴重な知見が得られました。

ビワマスプロジェクトは、市民・行政・企業・専門家が手を携えて2015年に結成されました。その前2011年から2019年にかけては流域の8地点で水生生物の生態調査が行われています。ビワマスの生態が明らかになるのと同時に、産卵に適した川床の砂利の環境の不足、遡上を阻む落差工(堰)の存在、そして産卵期間中の違法採捕の実態も分かってきました。




そこで、川底の土砂を取り除いて産卵に適した砂利の投入作業が行われました。さらに、ビワマスが遡上しやすいように数メートルの高さの落差工にまず、取り外し可能な仮設の魚道、その10年後には県の土木事務所により本設の魚道が設置されました。ビワマスの遡上調査は、2016年から今日まで毎日のように継続して行われています。はじめは地元の二人の住民によって行われていたそうです。それが近年、流域の住民有志数十人によって「ビワマス調査隊」が結成され、通勤、通学、買い物の折に定点観測した情報をITを駆使して共有しているそうです。その活動成果で、ビワマスは三面コンクリート張りの川筋をも遡り、野洲市の中心部の水路にまでやってきたそうです。


結成10年の節目に当たる今年には、これまでの成果を振り返り、これからの活動方針を新たに策定する「ビワマスフォーラム」が開催されました。プロジェクトの成功のためには、まず地道で継続的な自然環境調査による現状把握と課題認識が前提となります。それをもとに、産官学民それぞれで達成したい目的を共有すること、水利権を持つ農業者とも根気よく調整を行うことが大切であることを学びました。実際、ビワマスのための環境作りが、農業生産のじゃまになるのではないか、という生産者の心配の払拭と理解の獲得には、時間を要し、現在も調整が続いているそうです。

視察の成果は、できれば年内に報告会を開催して、NPOのメンバーをはじめ、垂水区内外で自然環境再生・利活用に取り組む団体の皆さんと共有したいと思います。

今回の視察では、琵琶湖の湖と陸の幸も堪能しました。お昼は湖畔の小料理屋にご案内いただき、フナの刺身や大きなコイの煮付け、小鮎の天ぷら、そしてフナ寿司など、私にとってどれも初めての料理を頂きました。行き帰りの車の運転を私が担当したので、近江の酒をお供にできなかったのが残念です。



夜は、近江八幡駅前にある食肉会社直営の焼き肉店で、近江牛を堪能しました。同行のメンバーも、近江牛が日本三大和牛と言われる意味が良く分かったと言っていました。


翌日は、かつての城下町でその後近江商人発祥の地となった近江八幡の古い町並を散策。そのあと、草津市にある滋賀県立琵琶湖博物館を見学しました。水そうだけではなく、稚魚を育て孵化させるバックヤードまで使って琵琶湖や海外の淡水魚の生態を余すところなく伝えています。岐阜県の世界淡水魚園水族館、アクア・トト ぎふとならんで、淡水魚ファンにとってはたまらない施設です。博物館所蔵の魚介類を詳しく紹介した「琵琶湖の魚類図鑑」を買い求めました。福田川水系に暮らす魚介類の生態の理解を深める上でも、貴重な資料です。








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