2025年11月1日土曜日

20251101 特定外来生物 アカミミガメとナガエツルノゲイトウの防除の方法を一日、学びました

 今日は、午前10時から苅藻島のクリーンセンター内にある「外来生物展示センター」で「はじめての川活」というセミナーに参加しました。午後からは、明石市の寛政池に流れこむ西区岩岡町の清水川に場所を移し、ナガエツルノゲイトウの駆除作業を見学しました。メインの講師は、ミシシッピアカミミガメなどの外来生物捕獲の第一人者の(株)自然回復の谷口社長と取締役の三根さん。どちらも溌剌とした女性フィールドワーカーです。


「福田川の生物多様性調査」の調査では、長年、アカミミガメの捕獲を行っています。しかし近年、引っ掛る数量が減ってきています。また、狙っているアカミミガメでは無くクサガメが掛かってしまうケースが増えていました。今日のお話で、もんどりだけでは捕獲数が減り、日光浴罠や川や池の中に足を踏み入れて手足で探しだす合わせ技が必要、とのことでした。アカミミガメは警戒心が強く、頭も案外良いのかもしれません。



ナガエツルノゲイトウは、今日、なぜその名前で呼ぶのかを得心しました。花が咲く「長い柄」を持った「蔓状の」「野に咲くケイトウ」と言うことです。会場の教室には、類似の形態の「ホソバツルノゲイトウ」「メリケンムグラ」などを乾燥させた実物も持ち込まれていて、座学の説明と合わせて葉の付き方や葉先、花柄の特徴や違いをよく理解出来ました。

その後、館外に出て一部の参加者はウェダーを履いてビオトープに入りたも網でガサガサを行い、希少種のイシガメを捕まえて寸法を測る実習を行いました。福田川水系で捕まる亀は、アカミミガメかクサガメだけで、これまでイシガメは見たことがありません。

ナガエツルノゲイトウは、神戸市の西部にまで進出してきています。西区岩岡町に接する明石市側にある寛政池では、池の水面がナガエツルノゲイトウに覆われているのではないかと思って訪問しました。ところが、全くその姿はありませんでした。三根さんに聞くと、数年前までは大量に繁殖していたそうです。そこで、冬場の水抜きの際に繁殖していた池のヘリの底にゴムシートを敷き詰める対策を行ったとのこと。それで一年ほど経つと、酸欠で根っこまで腐って駆除に繋がったとのことです。今日はその寛政池に流れこむ清水川のほとりにウェダーを着た関係者が入り、茂みに根を張っているナガエツルノゲイトウを丁寧に抜き取り、背負子で持ち込んだ土のう袋に入れて集めていました。池に新たな塊が流れ込み、再び増殖するのを防ぐ作業とのことです。川原の雑草ならば草刈機で一気に刈り取ってしまえ、と言いたいところです。しかし、わずか5ミリの節からも新たな芽が出るというナガエツルノゲイトウの除去には草刈機は使えません。




ナガエツルノゲイトウは特定外来生物で非常に繁殖力が旺盛です。これまで動画、写真を何回か見て勉強する機会がありましたが、今日はまさに百聞は一見に如かず。生息場所や大きさ、ストローのような茎の特徴が、現場で実物を見てよく理解出来ました。


外来種展示センターのセミナーでは、懐かしい川仲間の方々と再会できました。清水川では、2か月で1,000匹のアカミミガメを捕獲して新聞にも取り上げられた「カメをとる会」代表の笹尾さんも見学に来られていて、交流出来ました。本業は農家で、アカミミガメの他にもキャベツなどの野菜を食害するアライグマやヌートリアも大量に駆除されているそうです。

今後、福田川水系にナガエツルノゲイトウが進出していないか、普段のクリーン活動や福田川の生物多様性調査で目を光らせたいと思います。もちろん、アカミミガメの駆除の方も頑張ります。

※ご参考:

明石・神戸アカミミガメ対策協議会発行「誰でもできるアカミミガメ防除」

 https://www.city.akashi.lg.jp/documents/14704/hp-manyuaru.pdf

兵庫県自然鳥獣共生課発行「特定外来生物ナガエツルノゲイトウ見分け方資料」

 https://www.city.akashi.lg.jp/documents/36441/nagae.pdf