2025年11月25日火曜日

20251125 11月15日・16日実施「福田川の生物多様性調査」の報告を公開します。今回、落合池で「口が黒いフナ」は見つかりませんでした

 絶好の秋晴れの元、11月15日(土)・16日(日)の両日に渡って「福田川の生物多様性調査」を行いました。その報告がまとまりましたので、公開します。今回も、源流から河口付近の汽水域まで全長8キロの福田川の7か所・9地点を回り、水生生物、水質、そして植生について調査記録しました。水質が悪く、厳しい環境の源流や川で、大阪湾との間を行き来するエビやカニをはじめ、たくましく生きる多彩な生物に、今回も元気を貰いました。

今回の報告書の表紙を飾るのは、源流の一つの菅の台土池で初めて掛かったテナガエビです。海と川を回遊する生物とのことで、感動を覚えます。どうぞ報告書をご覧ください。(資料の各ページをクリックで拡大表示されます。PCであれば矢印キーで、次のページが表示されます)












前回の調査では、源流落合池の中の2か所で、口が黒いフナが掛かりました。水生生物の生態に詳しい、NPO法人生物多様性を守る会の知人に原因を尋ねたところ、ウイルスに感染しているか突然変異が考えられるが分からない、との回答でした。今回も複数箇所でフナが掛かりましたが、いずれも口は黒くなくて、ある意味ホッとしています。

また、これまでコンスタントに掛かっていた魚で、全く掛からなかったものもありました。水温の変化など、気候変動があったのか、あったとしたらその影響があったのか、今後も、分析と考察を進めたいと思います。

調査の前日には、調査箇所に先回りしてもんどりを仕掛けて回りましたが、段々と知恵が付き、効率が良くなってきています。今回は、もんどりに入れるドッグフードのエサを予め出発前にまとめて作りました。そのため、現場ではもんどりのロープを開いてエサをセットし、池や川に投入するだけで済みました。

2025年11月24日月曜日

20251124 コープこうべ福田店北側の左岸40㍍の雑草雑木を2時間掛けて刈り取りました

 今日の午後、コープこうべ福田店の北側の左岸の残りのエリアの雑草雑木を刈り取りました。わずか40㍍ですが、たっぷり2時間かかりました。この辺りは福田川の流域でも最も川幅が狭く曲がっています。多雨時には急な流れで高水敷が洗われます。洪水を知らせる回転灯も設置されています。

高水敷のコンクリートは枠を残して詰め物の小岩は川に流れ去り、大雨でなぎ倒されたススキ、ヨモギ、粘っこく赤い雑草などがその上に幾重にも横たわっていて足下が良く見えません。あちらこちらに開いた穴に気付かないとズボッとはまって、悪くすると骨折です。そのため、これまでクリーン活動では対象エリアから外していました。

昨日、23日(日)の福田小学校〜コープこうべ福田店前のクリーン活動で、メンバーがコープこうべ福田店北側の二重になっている少々危険な高水敷の端にあるタラップを使って登り、散乱していたゴミを回収してくれました。これは放っておけません。


今日、クラブとしては初めて刈り取りを行い、足下が見えるようになりましたので、来月からは、このエリアでも注意を喚起した上でゴミをひろい集めます。

高水敷の岩が崩れて川に落ちたところは、小さな堰のようになっています。みっともないゴミがたくさん引っかかっており、ここもやっつけたいです。

作業を終えて道路から記録写真を撮っていると、川のそばのお家のご婦人から、感謝の言葉を頂きました。嬉しいことです。


2025年11月23日日曜日

20251123 福田小学校〜コープこうべ福田店前のクリーン活動で、過去最大級の量のゴミを回収

 快晴で程よい気温の天気のもと、朝9時から一時間、福田小学校〜コープこうべ福田店前のクリーン活動を行いました。昨日、雑草雑木の刈り取りを行ったおかげで、雑草の下から埋れていたゴミが出てきました。資源ゴミ2袋と、それ以外のゴミ5袋が集まりました。イレギュラーな粗大大物ゴミを除くと、これまでで最大級の量です。

南側の右岸では、酢酸のような強い臭いが辺りに漂っていました。埋れていたカンカンの中身が日に当たって発酵したり、破れた犬の糞袋が出てきたからだと思われます。


この地区の最年少の小学2年生のメンバーは、川の中に長靴を浸水させずに入る技を体得したようです。どんどん浅瀬の敷石を渡っていって、岩場にへばりついているポリ袋などのゴミをひろい集めてくれました。

北側のコープこうべ福田店前では、高水敷が二段になっています。その上の段には、スーパーのポリ袋が破れて中身が出てきたものが散乱していました。今回、草刈りで上の段に上がるタラップにノイバラや雑草の種を気にせずに行けるようになり、久方ぶりにゴミを回収できました。


橋の下の砂地では、メンバーがヌートリアと思われる足跡を発見しました。昨日の雑草雑木の刈り取りの際にはありませんでした。水鳥の羽も散乱していたと言うことなので、捕まえて食べたのかもしれません。


集めたゴミは週明けに、神戸市建設局垂水建設事務所さんによって回収されます。他のクリーン活動のゴミ集積所と同様、福田小学校前にも「河川回収ゴミ専用置き場」のプレートと、その近くには「不法投棄禁止」のプレートが取り付けられました。最高1,000万円の罰金、5年以下の懲役の罰則も書かれています。多少なりとも、ポイ捨てを抑止するのではないかと思います。

次回の福田小学校〜コープこうべ福田店前のクリーン活動は、12月28日(日)9時からです。寒くなっているかもしれませんが、今日のように大人数でワイワイやりたいです。


2025年11月22日土曜日

20251122 明日のクリーン活動を前に、福田小学校前の刈り残していた雑草雑木を処理しました

 明日23日(日)は第四日曜日で、福田小学校〜コープこうべ福田店前のクリーン活動の日です。今日は、朝から昼過ぎまで川に行き、クリーン活動区間南側の右岸55㍍と、福田小学校前のスロープからコープ福田店にかけての188㍍、合計約250メートルの区間で雑草雑木刈りを行ってきました。


南側の右岸では、活動エリアの南端の大町橋にまで到達しました。森林用のよく切れるチップソーを付けていましたが、初めの頃は粘っこくしなやかな雑草に手こずりました。また、大雨でなぎ倒された雑草が粉塵と共に何重にも重なっていて、なかなか思うように前に進めませんでした。しかしそのうち、ススキやイネ科の植物に植生が変わりスパスパ切り進める様になりました。通せんぼして樹木化した雑草は持参のノコギリで切りました。

北側では、荒刈りで凸凹や岸辺が見えづらいところがありましたが、安全に立ち入れるようになりました。また、コープこうべ福田店前で新たに北側に刈り進んだところ、たくさんのゴミが落ちていることが分かりました。


明日も天気が良さそうです。すでに欠席のご連絡を貰っているメンバーもいますが、参加者全員でいつもよりも長いエリアのゴミをしっかり回収したいと思います。

2025年11月19日水曜日

20251119 福田川源流落合池の雑草雑木刈りを開始しました

 週末に「福田川の生物多様性調査」で落合池に入りましたが、伸び放題の雑草雑木に気分が滅入りました。そこで今日、池に入り、まず南東側の管理用道路や、落合池里山里池ネットワークの皆さんが構築中の法面の小径の入り口をきれいにしてきました。




チップソーの刃を山林用に交換したため、笹や数センチの径の雑木もパキパキと切り倒せました。カエデなどの樹木に巻き付いたしつこい葛もチョキチョキして引きずり下ろし、周辺が随分明るくなりました。今後も時間を取って池に入り、活動します。


2025年11月13日木曜日

20251113 新たな福田川の謎です。先月から、下流川原橋付近の高水敷にたくさんの椎茸が落っこちています

 今日の午後、神戸新聞の記者さんから電話が掛かってきました。「福田川にたくさんのキノコが浮かんでいるので、どこから来たのか調べてほしい、との連絡が読者からあった」とのことで、福田川のクリーン活動を行っているクラブへの問い合わせの電話でした。そのことなら、先月10月12日(日)の川原橋〜瑞穂公園のクリーン活動の時から気になっていました。

飼犬の大きさと比べて結構立派な椎茸であることが分かる

私が担当したのは左岸ですが、瑞穂公園の南側あたりから河口付近に掛けての高水敷に何十個もの椎茸が散らばっていました。傘の幅が10センチほどの立派なものもありました。



下記2枚の写真は10月12日に、左岸ビオトープ向いから河口付近で撮影

先日、11月10日のゴミ拾いでは右岸を歩きましたが、水道橋から川原橋ビオトープ付近までの高水敷に散らばり、あるところでは固まって落ちていました。今日の夕方、犬の散歩がてら右岸に行くと、同じ場所にまだありました。ビオトープの対岸の左岸高水敷にもまだ、見えました。川の中にも、一個、浮かんでいました。




椎茸は、クヌギ、コナラ、ミズナラなどのほだ木に菌が植え付けられ、日陰で育てられます。

福田川流域の川沿いで育てられているところを私は知りません。福田川の上流まで各所で日頃クリーン活動を行っているクラブのメンバーにもグループのLINEで心当たりがないか尋ねていますが、これまでのところ返事はありません。落っこちているのが左岸か右岸のどちらか一方であれば、何らかの理由で投棄されたとも考えられますが、両岸で見つかっているので、その線は薄いです。右岸で見つかったところは汽水域で満潮時に海水に浸かりますが、左岸はまず、水に浸からないところでも見つかっています。よって、海への落下物が吹き上げられた説は弱いですが捨てきれません。

夕方訪れた時には、奥さんから川に椎茸みたいなものが浮いているので、見て来て欲しいと言われてビオトープに確認にやって来た市民もおられました。

立派な椎茸、一体どこから誰によってやって来たのでしょうか。謎は深まるばかりです。


2025年11月8日土曜日

20251108 素晴らしい秋空のもと、福田川上流の名谷・奥畑の知られざる自然や旧跡を散策しました

 素晴らしい秋空のもと「福田川さんぽ」を開催しました。学校行事などと重なって参加者が11名と少々少なかったですが、半日、アップダウンの約4.5キロ、約1万2千歩で、福田川上流の名谷・奥畑の知られざる旧跡や自然の散策を満喫しました。

参加者は朝9時に、名谷小学校山側にある「明王寺」境内に集合。いつも掃き清められている境内は今朝も清々しい雰囲気をたたえていました。明王寺は真言宗のお寺で、平安時代初期の創建です。普段の日としては特別に本堂を開けていただいて、本尊の大聖不動明王座像を拝観できました。



次に、同じ中山地区にある古刹の「転法輪寺」に向かいました。参道は照葉樹林で県指定の保護林です。沖積層が見えているところがあり,福田川によって運ばれてきた砂や泥がたまっていることがわかります。本堂の阿弥陀如来を参拝した後、寺務所に立ち寄りました。広い境内には城を思わせる石積みの壁が展開していますが、直方体の石の積み方一つ取っても先人の工夫がうかがわれます。


寺務所では江戸時代に使われていた「籠」を見学しました。勅願寺を示す菊の御紋が入っているとのことで、お坊さんが本山の高野山との間を往復するのに使われたそうです。



次に向かったのは垂水でおそらく現存する最古の温泉の「柚耶の里」です。途中の高台から段々畑であった地形が目に入り、ここが河岸段丘であったことが分かります。

今日はあいにく、ボイラー交換工事中で建物の中に入れませんでしたが、ここが転法輪寺の参詣客を癒す「玉子温泉」と呼ばれる一大温泉(冷泉)であったことを、昔の写真を見せていただきながら、一同納得していました。


その次に向かったのは「奥畑公民館」です。辺りの様子は名谷の須磨ニュータウンの開発に伴い、私が子どもの頃(昭和30年代後半〜40年代前半)から様変りしています。公民館には、開発前の自然豊かな奥畑地区の貴重な写真や風景画、そして高度経済成長で賑やかなりし時代の奥畑地区の住民の皆さんの会合の様子の写真が飾られていました。




公民館の敷地には「修道記念碑」が立っています。明治時代末に奥畑地区と須磨を結ぶ道が整備されて、交通が画期的に改善した大事業を顕彰する碑です。その後訪れた、福田川の水源の泉は、昭和30年代後半に一帯に水道が引かれるまで、透明で良好な水質で住民の貴重な炊事、飲料の取水場所となっていました。古老からは、子どもの頃、泉から家に水を汲んで運ぶのが日課で大変だったとお聞きしています。今も、泉には水が静々と流れだし、付近の畑地の水路からも勢いよく水があふれ出てきています。奥畑地区ののどかですが厳しかった暮らしの様子が偲ばれます。



泉のすぐ近くには、室町時代創建の禅寺「石水寺」があります。今でも修行を積んでおられるお坊さんがおられるとのことで、境内には源平合戦の跡を伝える平師盛の墓と伝えられる石碑が移設されています。


奥畑地区の一番北側には謎のトンネルがあります。普段は鍵が掛かっていて、トンネルの中は真っ暗です。昔は滝ヶ谷川という川筋で、今はその上に盛り土されて神戸市営地下鉄の車両基地があります。そのトンネルを通って、山側の滝ヶ谷奥池と口池に皆さんを案内しました。敷地は神戸総合運動公園内にあり、公園管理の都合上、池の水利権者など一部を除き、市民の立入りができません。


池は雑木林の風景に囲まれています。ここが垂水区や須磨区の辺境で地下鉄総合運動公園駅から歩いて20分もかからないところにあると信じられません。市民の立入りが禁止されていることから、あらゆるため池にいる外来種のブラックバスやブルーギルは全くいません。池の中では、市街地と隔絶された自然環境を活用して神戸市により、淡水のブルーカーボンの実証実験が今も継続して行われています。




池から奥畑地区には用水路がつながっていて、皆さんと一部を歩きました。測量技術も満足では無かった頃に、微妙な高低差を計算して作られました。小山の中腹に作られた水路の小径で、私が垂水の中でも最も好きな風景の一つです。付近で耕作が行われていないため、農薬に弱いタニシが大量に生息していて、貴重な自然環境です。


さんぽは、池から元来た道を奥畑地区に戻り、ニュータウン開発で暗渠になった福田川が顔を出す奥畑地区のダムを見学した後、昔、ニュータウンができる前に山陽の路線バスの終点であった奥畑大歳神社の鳥居の前で解散しました。


コース全般の解説は、福田川クリーンクラブ顧問で神戸市立工業高等専門学校都市工学科の宇野先生にお願いしました。また、垂水観光ボランティアガイドの池上さんほか、メンバーも参加されて、日頃の博識を参加者全員で共有させていただきました。各訪問先では、快く境内や施設を開放頂きました。おかげで普段観られない垂水の歴史的な施設、自然環境を堪能できました。ご協力頂きました皆さまには、感謝申し上げます。

垂水・福田川水系には、まだまだ知られざる魅力を秘めたところがあります。今後も、福田川クリーンクラブでは「福田川さんぽ」を継続開催する予定です。ご期待ください。