2018年5月27日日曜日

『滝の茶屋の流れの源流に迫る』 「福田川さんぽ」を開催しました

神戸市垂水区の「垂水」の意味は「垂れる水」すなわち滝にちなんだ地名ですが、福田川の下流域をはじめとする市街地には、水にちなんだ地名が多いです。「瑞丘」「清水通」「泉が丘」・・・ その極めつけが「滝の茶屋」。何とも風情のありそうな地名ですが、その地名の由来や「滝」をご存知の方は、ほとんどおられないはず。



今年度最初の「福田川さんぽ」は、福田川の本流を少し離れて東垂水・滝の茶屋に残る2本の滝とその源を巡るウォーキングとなりました。企画と案内は、福田川クリーンクラブ顧問で神戸市立工業高等専門学校 都市工学科准教授の高田先生です。

一行は10時にレバンテ前広場に集合。まず向かったのは、垂水から塩屋の海岸沿いに建設されている、平磯公園。明石海峡大橋を建てるのに当たって風を計測していた通称「垂水タワー」の名残を経て、平磯灯台を見学。コーヒーポットのような形の灯台は、日本初のコンクリート製の水中灯台とのことで、文豪サマセット・モームの小説集「コスモポリタンズ」に収録されている短編「困ったときの友」の舞台にもなっています。






公園内には、サクランボが実っているのを発見。店で売っている赤いサクランボは、甘くなるように品種改良が進んだものであることが、良く分かりました。自然のサクランボは、黒く熟していても、かなり渋かったです。



最初のお目当ては、西水環境センターの処理水で作られた立派な「ビオトープ」です。そこにはいました、巨大なソウギョ。公園に伸び放題のシロツメクサをむしって橋の上から投げ入れると、コイを平べったくしたような巨大なソウギョが口を開けてパクつくのが見えました。

ビオトープは下水道処理水を流しているようで塩素の匂いがしましたが、周辺には適度な緑が茂り、立派な環境です。この予算を少し、福田川の環境整備にも回して頂きたいものです。





次に向かったのが本日の目当ての「滝」です。現在、垂水〜塩屋間に2本残っており、高台の住宅地からは見えづらいですが、国道やJRの電車からは良く見えます。万葉集で、『石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも』と読まれた、名勝のはずですが、下は鉄道と国道、そして上は丘陵地にせり出した住宅街の道路に阻まれて近づくことが困難なのは、とても残念です。





国道2号線から山陽電車東垂水駅に上がる長くて急な歩道橋を上がると、大阪湾から明石海峡が一望できる絶景が目に飛び込んできました。駅そばの公園は、その名も「東垂水展望公園」。何十年も垂水に住んでいますが、初めて知りました。ここで、参加者は差し入れで頂いた、クラッシュアイスを頂いて小休止。





その先の道路は、少し内陸側にくびれているところがあり、近づいてみると、そこが滝の茶屋の「滝」の場所であることが分かります。道路の山側から地面をのぞき込むと、確かに水が流れています。





その後、昔の地形図とそれを現代の地形に重ね合わせたデジタル地形図と、雨水渠を流れる水の音を頼りに滝の茶屋の滝の源流を探っていくと、きれいな水が絶えない側溝にたどり着きました。水は透明で、手を入れてみると、少し冷たく、湧き水由来であることが分かります。今は付近に住宅が建ち並んでいますが、昔緑が多かった頃には、今よりも豊富な量の水が流れていたのでは無いかと推測されます。


万葉集にもうたわれた水は、垂水の宝として大切にしたいものです。


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